ビジネスと、健康に役立つブログです。
本から得られる3つの経験

 このブログは、ビジネス、健康、人生に役立つ本を
 紹介しています。どんな本にも3つの秘密があるばす!

 2012年、今年のテーマは、アウトプットを増やす事!
読書も大切ですが、アウトプットがあっての、インプットです!
自分から働きかけて、外に表現の場を見つけていきたいと思います。
いつもここからが、スタートですよ~!

読書
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農業は繁盛直売所で儲けなさい! AP0161
農業は繁盛直売所で儲けなさい!―日本経済を強化する成功モデル農業は繁盛直売所で儲けなさい!―日本経済を強化する成功モデル

東洋経済新報社 2009-07-23
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 『農業は繁盛直売所で儲けなさい!』

 我が地元でも野菜の直売所が繁盛している。昔の直売所とは雰囲気が違う。農家の顔写真があって、誰が作っていくかがよくわかる。女性生産者、それも結構若い人たちの顔もあって、農業は高齢化していないとうれしくもなる。

 商品毎にも生産者の名前がある。
 そして何より安い。品質が目劣りするところはない。種類も豊富で、大きさや量も十分以上で、買い物をする楽しさがある。昨今の健康志向にもマッチしているし、地産地消ができるし、経済効果も高いように思う。

 地元が繁盛することで経済が回っていく。イチバという意味の市場を通さず、顧客の目という最も厳しい選別を受けて、生産者がどんどんと成長しているように感じる。

 繁盛直売所の裏側の仕組みが本書にはある。
 意外と、プロの生産者以外にも注力している。兼業農家、高齢農家、女性農家にも道を開き、多少品質が劣っても、それなりの価格を提示させて販売している。消費者も気にしなければ、安く買い取ることもできる。
 価格に幅もありながら。生産者を競争させる仕組みが見事に成功しているようだ。生産者の励みが生まれ、売上も上がっていく好循環。スーパーに通すよりも儲けが多ければなおよい。顧客もスーパーより安ければ買う。良い物がたくさん売れる好循環がある。

 公務員のコスト削減についても、徹底した競争原理が有効だというのは良く効くが、悪いサービスに安い価格で、という、消費者の選択が可能になれば、活性化するのではないか。
 公共事業の入札についても、競争が正しく行われるようになって、入札価格がどんどん下がっている。技術や効率が高まっていく。建設業界はまだまだ労働人口が多いので、血で血を洗う生き残り競争が続いていくのだろうが、一定水準まで下がれば、適正価格での取引に落ち着くだろう。

 まだまだ農家は正直者が多いのか、談合が少なく、消費者との蜜月は続くのだろうが、いずれ、価格を吊り上げるような行為が横行すれば、人は離れていくだろう。

 農産物の直売所は盛況だが、他の産業はどうなっているのか。農業以外との戦いも熾烈になってくる。

 めげずにおいしい野菜を供給して続けてほしい。


≪≪今日のチェックポイント≫≫

「このような活動を通して強く感じるのは、日本の農業再生は、それを取り巻く社会的、経済的、政治的な状況から「農業」だけ、なかんずく、農業生産だけを取り出して再生策を組み立てても、動き出さないであろうということである」

「農業経営の規模拡大と、高齢農家、兼業農家、女性農家の活性化の問題について、ここで少し寄り道をして問題の整理をしておきたい・・・筆者は日本農業は大規模専業農家、いわゆるプロ農家を育成するだけでは問題の解決にならないと考える」

「たとえば、キズがついて農産物、曲がった農産物などである。この意味で、直売所は兼業農家にとっての便利な販売先であるとともに、専業農家にとっても、生産した農産物をすべて販売しきるための新しい販売チャネルとして有効に使われている」


お勧め度 ★★★☆☆



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返しきれない借金ローンの整理法 AP0160
困ったときにすぐわかる返しきれない借金ローンの整理法―債務者自身、その家族・友人のための多重債務の対処のしかた困ったときにすぐわかる返しきれない借金ローンの整理法―債務者自身、その家族・友人のための多重債務の対処のしかた

オーエス出版 2001-09
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 『返しきれない借金ローンの整理法』

 この手の本は何度読んでもよいと思う。自分は債務不履行状態に陥っているわけではないが、なぜに債務不履行な状態に陥る人がいるのか、どう脱出すればよいのかが良くわかる。

 債務不履行に陥る原因はいくつもあるが、性格によるところも多いように思う。確かに不可抗力、外部要因ということも多々あるが、まずは自ら改善すべきことを見直すべきだろう。そして、外部要因で改善すべきことがないか学ぶべきだ。降りかかる火の粉を事前に予測し、準備を怠らない。できることはいくつもある。

 まさに、インフルエンザに備えるがごとくである。

 災いとは、病だけではない。金銭が尽きれば、行き詰ることもある。有事の際のこの一冊である。

 お勧め度 ★★★☆☆


・『お金の味』 『借金にケリをつける法』 AP0103...0104
http://lucknishikawa.blog39.fc2.com/blog-entry-115.html


大阪破産 第2章 貧困都市への転落  AP0159
大阪破産 第2章 貧困都市への転落 (光文社ペーパーバックス)大阪破産 第2章 貧困都市への転落 (光文社ペーパーバックス)

光文社 2009-08-20
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 『大阪破産 第2章 貧困都市への転落』


 大阪は、失業率も6.2%(H21.10)と全国第4位と高く、景気の悪化の影響は受けているが、景気の回復の兆しはまったくない。

 知事と大阪市長は変わったけれど・・・というのが実感だ。
 確かに公務員の給与は下がっているが、まだまだ中小零細に比べれば裕福だ。

 全国的にみれば、財政破綻しそうな地方行政は、どこにでもある。
 だが、我が地元なので、何かせねばならないという思いから本書を手に取った次第。

 本書は、財政がどうして(実質)破綻しているかを学ぶには、ちょうどよい。
 大阪の景気や財政が悪化している以上、コスト部分である公務員は減給や人員整理が進むべきと思うが、思うようにはいかない。
 結局、コストカットは進まず、府の財政の営業畑である民間(企業)に増税を強いる結果となれば、先行きが暗い。短期的には、まずは企業減税あるべしではないだろうか。

 会社が傾いたときに営業を切ってしまうと売上が増えず、会社はつぶれる。内部の人材がだぶついているなら、一時的にも営業に配置転換させるのが、通常ではないか。公務員の場合は民間にいって稼いでもらい、税金をタップリ納税してもらうのだ。
 本書はムダと削減の必要性については、よく分かる一冊だ。
 
 財政回復の本質的な問題は、民間の売上と利益をどうあげていくかだ。ここが上がっていけば、税収も増加し、自然と財政は回復する。
 
 民間の売上を上げるには、他国や他府県に対して、取引をするメリットを提供していく必要がある。
 既存のビジネスなら、競争力を高める。新規ビジネスなら、開発が必要だ。
 
 将来の大阪のあるべき姿については、本書を読んでもわからない。

 未来のビジネスにとって重要なポイントは、知識・知恵の高さであり、優秀な人材であり、世界を視野に入れたグローバルなコミュニケーションである。
 世界的な競争力が必要だ。
 高コスト体質を是正することは当然必要だ。もっと大切なのは、世界と勝負して、勝てるかどうかなのではないか。

 日本のように労働力も減って、資源もない国ならば、国家国民の知識と知恵で勝負するしかない。
 
 だが、大阪はここが弱い。押しこそ強いが、知識や優秀な人材が少ないうえ、いても、みんな東京に持っていかれている。
 東京と比べれば街は汚いし、放置自転車No.1の通り、簡単にルールを無視するほど民度も低い。他府県からの流入に積極的でないし、他府県の人々も大阪を飛び越して東京に行きたがる。
 
 ビジネスをするにも、伊丹空港、関西空港と世界と対峙する立地も悪い。

 知識や知恵で勝負しなければ勝てないというのに、わがままを通せばいいとか、値切りだけで戦おうとするとこがある。地域全体が効率性を優先しないのが大阪なのだ。

 だからこそである。大阪には明るい未来がある。なぜなら、まだまだ伸びしろが大きいと言えるからだ。これから、どれだけ進歩することができるか。社会のすべてにおいて効率を高めることができるか。

 世界を相手に勝負しなければならない。
 特に金融立国を目指すべきだと思う。今、大阪にあるものを売る、それも大事だが、お客となるべき人が何を望んでいるのかを考えて、自分たちを変えていかねばならない。



 お勧め度 ★★★☆☆

 


10万年の世界経済史 AP0157-158
10万年の世界経済史 上10万年の世界経済史 上
久保 恵美子

日経BP社 2009-04-23
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10万年の世界経済史 下10万年の世界経済史 下
久保 恵美子

日経BP社 2009-04-23
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 『10万年の世界経済史』

 池田信夫氏のブログhttp://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51301267.htmlで紹介されていたので、興味をもって読了。

 10万年という題名から人類の悠久な世界史を期待していたが、1800年を境にした、以前・以後の物語で大きくひとくくりになっていたので、少しイメージしていたものとは違っていたが、それはそれとして、本書は大変興味深い1冊だと思う。

 まず、「マルサス」。
1.各社会の出生率は、それを制限する慣習によって決定されるが、物質的生活水準が上昇すれば増大する。
2.各社会の死亡率は、物質的生活水準の上昇にともなって減少する。
3.人口の増加にともない、物質的生活水準は下落する。
 ・・・という、仮定から、ある社会の人口は、一定水準で高止まりし、生活水準は最低限で固定される。というのが、マルサスである。

 ある社会の生産能力が300だった場合。100人の人口だと、生活水準は「3」になる。
 200人の人口だと生活水準は「1.5」、300人だと「1」である。「1」を切ると生存ができない人が出てくるので、生活水準が「1」になるように、人口が自動で調整される。「1」以上の場合は、人口が増加し、やがて「1」になる。
仮に、生産能力が600に増加した場合、人口が300人の場合、生活水準は「1」から「2」に倍増するが、やがては人口が増加して600人になって生活水準は「1」に戻る。

 1800年までの世界は、このようなことの繰り返しで、生活水準が上昇するには、人口の減少によってのみもたらされた。「戦争」「伝染病」などによって、人口が減少したとき、生き残った人々の生活水準は上昇する。

 1800年代以前の時代でも生活水準「1」もしくは「1」以下にあった人々は、原始時代にサバンナで狩をしていた人々よりも貧しく不幸で、労働時間が長い場合があったという。

 生活水準が「1」を遥かに上回るところにあったサバンナの原始人たちは、人口が増加し続けている余力のある社会であり、、短時間で労働すれば1日の食材を手に入れ、幸せに暮らすことができた。
 文明が進歩し、原始時代と比べても格段に技術進歩していた近代であったとしても、生活水準が「1」を切っていると多くの人々の生存が脅かされ続ける。

 1800年までの人類は如何に賢くとも、知識や言葉や火を使える唯一の生き物だったとしても、他の動物と同じく、「マルサス」という自然の摂理に従い、人口は増加し続け、社会が許容する人口の限界点まで増殖を続け、生活水準が「1」を割り込み、庶民の生活は困窮する。

 しかし、多くの人類は、1800年を境に、我々は「マルサス」から離陸し、人口の増加と生活水準の上昇を同時に実現するようになった。

 なぜ?

 知識が向上した。効率が向上した。石油を始めとするエネルギーが増加した。ということが考えられるが、どうなのか。

 1800年以降にもマルサスから脱出できない国々も多い。マルサスから脱出した国とそうでない国。違いは知識を有していて、労働者の作業効率が高いかどうか。作業者の優秀さが違うという結論。

 先の池田信夫氏に言わせれば、英国で始まった産業革命は、英国と同等以上の知識、労働者を有しながらマルサスの罠から脱出できなかった国もあることから、一概に限定できないと指摘している。

 何が、マルサスの罠から脱出させたのかは不明と言うことか。

 だが、いずれにせよ、我々はすでにマルサスの罠から飛び出している。

 ほんとうに飛び出しているのか?

 本当のところは飛び出していない。単に社会が許容する生産能力が増加したに過ぎない。やがて今の社会で許容される生産能力を人口で割った生活水準が「1」を割り込む日がくるだろう。

 すでに日本では「1」を割り込んでいるかもしれない。若者に生活がすでに脅かされているのだから。

 そこから脱出する方法は、人口を減らすか、生産能力を増加させる社会の進歩以外にないのではないか。人口を抑制できるのか。社会を進歩させることはできるのか。

 人口を制限するものへの戦い、人類を進歩せしめる戦い。
 エネルギー源が石油のようなストックの場合、いずれ生産能力を激減させる可能性がある。
 フローなるエネルギーの発見と、人口を減らす圧力への戦いこそ、近い将来に起こりえる生活水準「1」以下に低減するその日に備えることに違いないかと思われる。

お勧め度 ★★★★☆



 
ダンドー AP0156
ダンドー (ウィザードブックシリーズ)ダンドー (ウィザードブックシリーズ)
船木麻里

パンローリング 2009-07-10
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 『ダンドー

 副題に「低リスク高リターンのインド式テクニック」とあるとおり、投資に関する1冊。
 ダンドーだけではなんのことやらである。

 しかし、内容はとてもすばらしいと思う。あまりにも単純だからこそ、見落としていた投資の「常識・当たり前」がここにはある。

 安く買って高く売る。

 こんな簡単なことを、見落としていたとは。読書家が聞いてあきれるということである。
 
 しかし、質問が残る。

 どうして今の価が安いといえるのか。価格が下がっているには、それなりの理由があるはずだ。売上が下がった、コストが上昇した、不渡りにあった、一斉退職があったとか?

 故に、価は常に適正価格になっているのでは。故に安い価などないのではないか。

 本書の著者やあるいはバフェットは、そのような人が、人々がそのように考えることをほくそえんでいる(かもしれない)。
 まさに人の誤解に基づき、価は、安くなるのだと。

 つまり、パニックに襲われ、人々は適正価格以下まで売り込み、熱気に当てられ、人々は価を吊り上げる。価は常に適正価格にはなく、つまり高いか、安いかである。

 もう一つ目からうろこだったのが、低リスク高リターンという組み合わせ。
 いつの間にやら、高リターンを得るには、高リスクが必要で、ギャンブルをしないと成功できないと思うようになっていたが、本書を読むとそれが間違いだったと気付く。高リターンをもたらすのが、低リスクと高リスクがあるとすれば、その間にあるのは何か。

 それは、最初記載した、人間は適正価格でものを買えない(売れない)という、ところに戻ってくる。
 知性と行動力があれば、今の価格が間違っていることがわかる。そしてリスクをどんどん低下させることができる。

 もっとも重要なことは・・・安く買って高く売ること。

 ≪≪今日のチェックポイント≫≫
 ダンドー・・・
 既存のビジネスに投資する。
 シンプルなビジネスに投資する。
 行き詰った業界の行き詰ったビジネスに投資する。
 丈夫で長持ちする堀を備えたビジネスに投資する。
 厳選した少数に賭ける、大きく賭ける、たまに賭ける。
 裁定取引にこだわる。
 常に安全域を確保する。
 低リスクで不確実性が高いビジネスに投資する。
 革新者よりも成功者を真似たビジネスに投資する。

 コインの表なら勝ち、裏でも負けは小さい。
 
 グーグル、オラクル、シスコ、そしてインテルを創設した人々は全員、豊かな才能の持ち主だが、彼らには、純資産が成層圏に届くような追い風が吹いていたのである。・・・しかし驚くのは、すさまじい向かい風を受けていたはずのミッタルの純資産が彼ら全員をしのいでいるのである。

 シンプルさは非常に強力である。「細部を気にすると人生が浪費される・・・シンプルに、シンプルにせよ」
アインシュタインは、知力の階段が「頭がよい、知性がある、優秀である、天才的だ、シンプルである」の順で昇っていくのだと認識していたのである。

 ウォール街は、リスクと不確実性を区別することができず両者を混同してしまったのである。しかし、バフェットやグレアムのような洞察力のある投資家はミスターマーケットのこの弱点を何十年も利用し、素晴らしい結果を出しているのだ。低リスクで不確実性が高い賭けを見つけ出すことで、ウォール街の弱点をうまく生かすべきである。
 
 
 お勧め度 ★★★★★


芸術起業論 AP0155
芸術起業論芸術起業論

幻冬舎 2006-06
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 『芸術起業論』

 面白い。もはやこれは、芸術論ではなく、中小企業のオヤジ社長の成金成功術である。
 道を切り開いた者だけが語るものすごいパワフルな物語であり、大戦略である。

 適切な質問ができた瞬間、彼は見事に道を切り開いた。
 
 芸術で食っていく。

 彼は、結果的に、それ以上の道を見つけてしまったが。
 
 適切な質問。適切な質問とはなんだったのか。

 「なぜ、ここまで、日本人アーティストは、片手で数えるほどしか世界で通用しなかったのでしょうか」

 しかし、この著者はよくしゃべる。話が面白い上、よく考え抜かれている。分析もすばらしいし、自分が成功した仕掛けを理解している。弟子を取ってそれぞれ見事の成功させているというから、確信犯であることは間違いない。

 十分な富を得て、芸術家としての評価も揺るがない。通常、このような人間的なステージに上がった人は、宗教とか、世界救済、ボランティアなんかに目を向けたりするが、まだまだ、戦場から離れるほど老いぼれてはいないのだろう。リアルな、シビアな、現実と、戦略の立て方を余すところなく? 伝えてくれている。故に面白い。第一線でここまで、冷静に、熱く、具体的にかかれた本も珍しいのではないか、と思えるほどに。
 
 芸術論ではなく、芸術 「起業」 論というだけあって、目指すところは、収益である。具体的な金額ではない。ビジネスとしての評価。

 それが日本の芸術に携わる人にとっては、腹が立つところだろう。美しさではない、大衆迎合的なところが。しかし、欧米の芸術はさほどに安っぽくはないのだ。

 ビジネスということであれば、業界の流れを理解することができれば、ど素人でも参入できるかといえばそうではないだろう。しかし、芸術が知的ゲームの要素が高いということであれば、芸術的なスキルのある者と、知的ゲームの得意な者が組んで戦うことも可能だろう。

 そういった分業体制についても、著者は実験済み。彼の言動を聞いていると、まるで、レオナルドダビンチの工房でも見ているようである。「村上隆」というブランドを作り上げる工房。

 戦術面では、筆者は東京芸大でトップ2まで上り詰めており、自信満々である。だからまったく戦術面に関しては記載がない。だからどんな業界で戦っている人にも通じる物がある。

 どんなステージにいる人も、一読して損などしない1冊。

 
≪≪今日のチェックポイント≫≫
「単純です。欧米の芸術の世界のルールをふまえていなかったからなのです。欧米の芸術の世界は、確固たる不文律が存在しており、ガチガチに整備されております」

「自分自身のドロドロした部分を見つけなければ、世界に認められる作品なんてできません」
「あとはもう長期戦を覚悟すべきです」

「なぜ私の作品は1億円で売れたのか・・・そういうあからさまなことをやり、周囲から嫌われていくけど、嫌われる張本人にすれば「身も蓋もないことをやったもの勝ち」だということは、もう、はっきりとわかってやっているのです」

欧米では芸術にいわゆる日本的な、曖昧な色がきれい・・・的な感動は求められていません。知的な「しかけ」や「ゲーム」を楽しむ」というのが、芸術に対する基本的な姿勢なのです」

「日本では好き嫌いで芸術作品を見る人が大半ですが、これは危険な態度です。主観だけで判断するなら、目の前にある作品の真価は無に等しくなってしまいます」

「しかし現代芸術の評価の基準は、「概念の創造」ですから、言葉を重視しなければなりません」

お勧め度 ★★★★★
 

株で本当に儲けるヤツは、 「業種別投資法」を知っている AP0154
株で本当に儲けるヤツは、 「業種別投資法」を知っている (洋泉社BIZ)株で本当に儲けるヤツは、 「業種別投資法」を知っている (洋泉社BIZ)

洋泉社 2009-09-02
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 『で本当に儲けるヤツは、 「業種投資法」を知っている』

 建設・住宅、食品、総合化学、電子材料、医療品、化粧品・トイレタリー、資源関連、鉄鋼、機械・造船・プラント、産業用エレクトロニクス、電子部品、精密、自動車・自動車部品、総合商社、百貨店、スーパーコンビニ、小売専門店、銀行、証券・保険・ノンバンク、不動産・REIT、運輸、通信、インターネット・広告・放送、電力・ガス

 ・・・という、25業種に分類して、それぞれの業種の動向、くせを分析した1冊。

 これが正しいことを書いているのか、あるいはデタラメなのかは、自分でしっかり分析する必要はある。安易に信じる必要はない。だが、ある企業、業種を調べるのに、その業界で使われることはを知るには手っ取り早いと思う。どんな言葉を追跡し、分析すればよいのかの手掛りにはなる。

 投資の本を読むたびに思うのだが、1冊の本を読んだだけで金持ちになることはできない。本当に儲かる方法があるとして、誰がその真理を本に書いて売り出すだろうか。真理そのものがあるのかどうかも疑わしい世界で。

 だが、投資を学ぶためには、本を読む以外にはない。

 1冊1冊の本にはほんのわずかだが、真実、というべきか「ひらめき」というべきか、そういったものが隠されているはずだ。我々読書家は見落とさないように一言一言確認していかねばならない。ロジックをどう汲み取っていくのか、未来を読み解くのか。そのためのきっかけには、この本には十分になりうるだろう。

 重要なのは読んだ後の第一歩ということだ。

 ・・・関心があるのは、やはり自分の本業の仕事(=サラリーマン)の業種。全体像の中の我が社の立ち位置はどこか、そして、そんな小さな我が社の中の自分のあるべき、なすべき仕事とは何か。
 他社がどのように評価しているのか、どんな基準で評価しているのか。

 個人的には不動産・REITかな。投資の王道というばやっぱり、家賃収入でしょうから。実現するまでにはしばらくかかるでしょうが。

 しかし。どの業種も個性が強いというか。仕事なんてどこいっても同じと思っていてはダメである。・・・ということが学べるということこそが、この本の良いところ? ではないだろうか。

≪≪今日のチェックポイント≫≫
「今やGDPに占める石油消費コストの割合(一種の石油依存度と言ってもよい)は、わずか1.7%(04年)である。中国の5.2%、米国の2.6%を大きく下回る水準にまでなっており、それが06年からの石油価格急上昇があっても、かつての石油危機を繰り返さずにいられる体力となった」

「在庫率を見て商売をする人はいない。・・・需要そのものもあえて言えば重要ではない。真に重要なのは需要見通しだ」

「・・・逆に不況時に大量採用した方が、本来は優秀な学生を採用しやすいはずだ。・・・式市場が活況を呈してくると買いに入る投資家は、景気が良くなると大量採用に走る企業のようなものだ。リスクを取る行動は、端的に言えば、「付和雷同せずに逆張りをする勇気」である。」

「明確なロスカットルール・逆張りシナリオに自信を持てるかどうか・流れに逆らうな=流れを見ながら、満を持して逆張りされることをお勧めしたい」

「機関投資家にも弱みはある。それは、長期的な視点に立った投資が実はやりにくいこと、そして、投資のタイミングを選ぶ自由度が低いことだ」

「最初から何度かに分けて投資するという姿勢で臨んでいた場合を除いて、ナンピン買いは避けるべき、というのが筆者の意見だ。むしろ、下がってしまった銘柄をいかに早く損切りし、上がっていく銘柄でいかに多く稼げるかが投資の成果を左右する」

 お勧め度 ★★★★☆




 
任天堂 “驚き”を生む方程式 AP0153
任天堂 “驚き”を生む方程式任天堂 “驚き”を生む方程式

日本経済新聞出版社 2009-05-12
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任天堂 “驚き”を生む方程式』


 小学校の時のファミコンが家に来たときの衝撃は、今も思い出す。
 ゲームと共にすごした時間は何千時間を通り越して、何年にもなるかもしれない。
 その始まりは、なんといっても任天堂だったのだから。

 任天堂は、私にとっては友達以上の存在であり、幼馴染という感じだ。
 プレーステーションが出て、そちらに行ってしまったが、任天堂といえばゲーム、ゲームといえば任天堂に違いはなかった。

 社会人となって、ゲームとも距離を置くようになったが、Wii や DSの成功で返り咲いたら任天堂には、うれしい気持ちはあっても妬ましさというものは微塵も感じない。

 私がプレステで遊んでいる間、任天堂は、任天堂キューブ、64と長らく日の当たらない時代をすごしていたんだねと、本書を読んでいると古き友の人生を聞いているような気分がする。加担しておきながら何を言うかというものだが、それはそれ。

 ゲームボーイといった携帯型ゲームで新たな足掛かりを見つけ、時代の流れを新たにつかみ、今日の地位を築き、そして再び家庭の娯楽として錦を飾った快挙にはすばらしいの一言である。

 任天堂の成功の裏には、大きな失敗があった。その失敗があったからこその今の成功ともいえる。
 
 プレステ、Xボックス360は技術進歩の延長線上に未来のゲーム機の姿を見たが、任天堂はキューブや64で技術進歩が顧客の望みではないという失敗を先手で犯したことが有利に働き、技術よりも誰に使ってもらうべきか、どう使ってもらうべきか、いつ使ってもらうべきか、顧客思考に立って改めてゲーム機を考えなおしたのだ。

 こんなことは、理屈ではわかっていても実行するのは極めて難しい。それを見事にやり遂げたことこそに任天堂のすごさがある。顧客が何を望んでいるかを軸に考えてはいても、結局、進歩する=技術確認と考えてしまうことが、メーカー、あるいは人間というものだろう。

 進歩しないことはまるで怠惰のようにすら感じてしまう。できることはせずにはいられない。

 しかし、それは違う。違った。任天堂はその道を歩まなかったのだから。

 プレステを支えてきた我々のような世代は、時間がなくゲームから離れていったが、時代の流れを任天堂は見逃さなかった。新たな市場に果敢に取り組み、見事に結果を出したのだから。

 これからも時代は移り変わる。任天堂とはいえ、うかうかしてはいられない。
 しかし、少なくとも今は、任天堂が面白いことに変わりない。

 任天堂ほどの会社ですら、顧客に対してそれ相応のメリットがなければ、生き残れはしないのだから、ビジネスとはかくも難しきことかとも思い知る次第である。



 お勧め度 ★★★★☆



 
ザ・プロフィット AP0152
ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのかザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか
中川 治子

ダイヤモンド社 2002-12-14
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『ザ・プロフィット』

 5年以上前に一読していたことも忘れて、再読してしまった。本棚にもう一冊あったので間違いない。
 はて、実家の書棚の大切な書籍の棚に大切に保管されているところを見ると、当時はたいそう感銘をうけたものだ。物語もわかりやすく、次々と出てくるビジネスの手段の豊富さに目を丸くしたことを思い出す。

 今となって改めて読み直したところ、そういったいくつもの利益のあり方というものよりもいくつもの名言に心が奪われた。

「イノベーションの成否を分けるのは、単調な骨折り仕事をマスターできるかどうかだ。創造のプロセスは通常は輝くようなアイデアから始まる。・・・その後そのアイデアを反復生産可能な製品に転化しようとする過程で、人々は穴蔵に潜り込んだような仕事を長期間続けることになる」

「景気後退期にも広告費を絞らなかった企業は手控えた企業に比べて、景気回復後の売上増も利益増も早かったことがわかった。・・・つまり、ブランド利益はある意味で積み上げた時間の賜物ということになりますね」

「孫子の言葉を思い浮かべるんだ。曰く、峠を制する者は大軍に勝る。時間に潮時があり、場所に適所がある」

 世に勝ちパターンという安直なものはない。正しいと思うことに全力を尽くして取り組むのみだ。されど正しき道ではあったとしても、成功する道は10に一つもあるやなし。

 努力だけでは、達しない道があることに乾杯。

お勧め度 ★★★★☆


全脳思考 AP0151
全脳思考全脳思考

ダイヤモンド社 2009-06-12
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全脳思考


 神田昌典氏の先見の明というか、ものの流れを見事に見抜く力、そして次に一手をさっと手配する気配りの力は見事である。
 昨今のビジネス書ブームの中、コンサルタント張りの論理思考が一定の普及を見たいま、行き詰まりに先んじて、本書の提案は見事である。
 
 本書の趣旨は、コンサルタントの論理ばかりを使うのではなく、感性も使って、左右の脳をフルに活用せよとのものである。

 論理感性は、コンサルタントに言われるまでもなく、ほとんどの人が常の生活で普通に使っていることであり、一週回って元に戻ってきたような気がする。

 しかし、それは、論理をとことん煮詰めたからこそ、至る境地である。まずはやはりに論理を理解することを疎かにしてはならないと思う。

 さて、本書には感性の部分にスポットを当てて、その開発を促す内容にある。少なくとも論理と平行して感性へのアプローチを大切にすべきということが伝わってくる。

 ものを販売していくためには、顧客の利便性について、しっかりとした物語、ストーリーがいるとした点、大変共感した。説明力があればこそ、顧客は納得して商品を手に取るのだから。

 感性の部分については、いまだ開発が進んでいない、故に、これからのビジネスコンサルティングの新しい本流になっていくことになるだろう。そういった起点となる一冊として一読を薦めたい。

 お勧め度 ★★★★☆


バブル再来 AP0150
バブル再来バブル再来
神田 昌典

ダイヤモンド社 2006-05-12
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バブル再来

 神田昌典氏の本はいくつか読んできたが、納得のいくこともあれば、んん~とうなりたく事も多い。
 残念ながら本書は後者の方、うんとはいえない内容だった。

 バブル再来する。そう過去を振り返れば確かに何度もバブルは発生している。しかし、簡単に経済活動が周期的に巡っているといえるだろうか。

 テクニカルな投資を行っている者が一番最初に思い描くのが、株価の動きに周期性がないかを読み取ることではないかと思われるが、そんな単純なことで、成功したという話は聞かない。

 複雑であれば良いということではない。だが、これではあまりに単純すぎやしませんか。

 季節に春夏秋冬があるとおり、経済にも四季のような季節があるといいたいのはわかるのだが、幾重にも重なるいろいろな波、突発的な事件、進化する技術の前には、一つ筋の通った周期を事前に予測することは不可能と考える。しかし、後日談として周期を説明することは可能だとも思う。

 私ごときが語るまでもなく。

お勧め度 ★★☆☆☆

お金に困らなくなる マイホームの買い方・つかい方 AP0149
お金に困らなくなる マイホームの買い方・つかい方―「暴落するマンション・売れない一戸建て」をつかまない知恵お金に困らなくなる マイホームの買い方・つかい方―「暴落するマンション・売れない一戸建て」をつかまない知恵

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 『お金に困らなくなる マイホームの買い方・つかい方』


 この本は購入してから半年ほど読まずにほったらかしにしていたが、読んでみると非常にためになった。しかし、本書のネーミングには問題があると思う。わたしはたまたま、自分の状況が変化したので、本書を読む価値が増大したが、通常この本のネーミングで購入する人には、この本の価値は低いと思うからだ。
 
 本書は、マイホームはいずれ投資目的に転用する(可能性が高い)ので、賃貸できるか転売できるような目線で選択すべきということが説明されている。
 本書のネーミングをみて購入する人は、投資をすることを前提としないと思う。ほとんどの人は、マイホームという言葉を消費される物として想定しており、決して投資を連想しない。故に本書名から購入した人には不評だと思う。

 しかし不評であるのは、ミスマッチだからであり、本書の価値はやはり高いと思う。

 小生にいたってはこの本を購入した時点では、マイホームの購入を検討していたが、状況の変化があり、今では賃貸経営を前提とした投資を考えている。
 そういう意味において、私には本書はぴったりになったのではあるが、やはり、ほとんどの人、サラリーマン家庭でマイホームを検討する大多数の人々にとっては、本書のネーミングには問題があると思う。

 さて、著者はマイホームの購入基準を「快適性を買う」、「収益性を買う」、「換金性を買う」に単純化している。サラリーマン世代にとってもっとも重要なファクターは、販売価格ではないだろうかと思うがそれはあまり重要ではない。なぜなら、住宅というのはコストの積み上げで価格形成されるのではなく、その住宅に住む人の利便性に応じて結果するからである。

 どんなにりっぱな家であっても景色が良いわけでもない人里離れた山奥では価値がないのと道義である。
  
 現代人にとっては購入することはリスクでしかないというのは、ここ数年、大きな潮流になったなあと思う。それだけに高度経済成長からその延長期間においては、マイホームは成功の一つの証だったと思うからだ。

 従来の農耕民族にとっては、田畑の近くに長く住むので引越しは検討しなくて良いが、現代のビジネスは狩猟民族化しているので、転勤は当たり前、転職も当たり前、結婚も永続するかどうかわからないとなると、住居を購入して資産化することはリスクだ。

 反面、賃貸住宅として貸し出すことを考えると、借りたいニーズは増加しており、人口が減少していることを考えてもまだまだチャンスは大きい時代ともいえるだろう。

 そういった意味で、住宅を購入する場合は、借り手がつくこと、下取り価値のある住宅であることを重視することが何より大事というのは、頷ける話である。

 当然、住宅を購入するメリットは他にもたくさんある。やはり、自宅を好きなように改築できたり、将来ローンを完済してしみまえば、家賃ゼロというのは家計の大きな助けになることは間違いない。

 日本という国が大きな転換点にあり、人口の減少という大きな変動ファクターがはっきりしている状況では、マイホームという甘美な誘惑は、幻想でしかないのかもしれない。

 ただ、筆者は、先の「快適性を買う」、「収益性を買う」、「換金性を買う」の条件さえ満たしさえすれば、マイホームに肯定的である。

 住むということは、生きるための三大要素である衣食住のうちの一つであり、誰もが逃れられないことであるが故に、本書の読む価値はやはり高いと思うのだ。

 賃貸するということを考えたことがない人にこそ、読んでほしい一冊。

 お勧め度 ★★★★☆



 
職業”振り込め詐欺” AP0148
職業”振り込め詐欺” (ディスカヴァー携書)
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 『職業”振り込め詐欺”』


 アルファブロガー、子飼弾氏のサイトでも書評されているので、早速小生も読了した。
 http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51304716.html

 弾氏は振り込め詐欺は、「現代社会の歪みを映し出す鏡」ではないと主張されているが、小生にはこの事件は、やはり、時代を映す鏡だと思う。
 尾上 縫氏が起こした詐欺事件?では、銀行の貸付総額は2兆3000億円にものぼったというが、この事件は、バブル時代のお金の余り具合が如何にすごいかを物語る、時代の鏡だと思う。
 
 弾氏のいう、武富士の息子などは合法的に金をあれだけ溜め込んだという話。
 何も事件だけが時代を映したりしない、それ以外にも時代を表現するものはあるという点。
 息子がどうかということは知らないが、本当の悪党は合法的に人から金を巻き上げるものだというのも一理あると思う。しかしやはり当時の事件を振り返ればその時代を見つめなおすことができるのではないか。

 犯罪者も生まれながらに犯罪者の場合とそうでない場合があると思う。前者はいつの時代でも一定の割合で発生するものとして、ここでは議論しない。
 後者のもともと犯罪者ではない人々は、環境に影響されて犯罪に手を染める。つまり、必要がなければ犯罪者にはならないし、必要があれば犯罪者になる。
 
 景気が悪くなると失業者が増えるのと相関して犯罪者は増える。これはマズローの要求段階説の下に下がっていく状況であり、食うに困れば警察に捕まるリスクを取って何でもするというのが、人間本来の素直な姿ではないかと思う。

 ATMは1980年代にはすでにあったし、携帯電話は1990年代には使われ始めている。ではなぜ、この時代に振り込め詐欺は発生しなかったのか。理由は、老人老人でなく、老人は富裕層でもなんでもなかったからではないのか。多くの若者も犯罪に手を染める必要性もなかった。

 振り込め詐欺という犯罪自体が依然として開発されていなかったケースも考えられるし、すでに振り込め詐欺があったかもしれないが、時代を映すほどには犯罪規模は大きくはなかったのかもしれない。実際ATMを使ったキャッシュカード詐欺事件も多数あった。犯罪に手を染める若者も次から次ということもなかっただろう。

 ソマリア沖では多くの海賊が商船を襲うなどの被害が問題視されているが、ソマリアの無政府状態という背景があって、今までとは違うニュースとなる。

 昨今の振り込め詐欺という問題の背景には何があったのか。特徴があるやなしやは、本書が指摘するようにパターンがしっかり見て取れるのではないか。つまり、時代を映す鏡ではないかと。

 では今回の振り込め詐欺の背景とは何か、その特徴とはなにかということになるが、電話一本で高額なお金を簡単に振り込む老人、財産を持つ老人、高失業率の若者、生きることに困る若者、犯罪に手を染める若者、格差社会、詐欺の手口が希薄な親子関係を利用しているというのはいえると思う。

 この詐欺の手口が誰でもできるという事ではなく、老人若者という構図は、持つ者対持たざる者、高度成長期対成熟期、年金生活者対年金納付者、などという今の日本が抱える問題点に合致するのではないか。だからこそのこの本である。

 これが単なる、犯罪者を捕まえる捕物帳では買う意味もないのではないか。いや、本にしない。

 犯罪者が一様にいう、金があればなんでもできる、時代が俺たちを犯罪者にした、騙されるヤツが悪いなどということを真に受けるつもりはない。

 犯罪者は犯罪者であり、罪は罪である。

 今の時代にある合法性がゆがんだ結果を生んでいるのではないかということを考えるきっかけではあると思う。

 お勧め度 ★★★★☆ 



 
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